久しぶりに美術館へ行った。一番お目当ての美術館がお休みだったので、第二候補へ。車で向かっている途中、交番の前で若干危ない運転をしてしまい、警察官に指を刺されかなり緊張したが止められはしなかったのでよかった。
私は美術用語がさっぱりわからないし興味がないので、現代だとか過去の有名なだとか主義だとかが一切分からず、面白いか面白くないか、楽しいか楽しくないかのみで観ている。そっちの方が裸で体当たりしてるような感覚があって気持ちがいい。もしかしたら、私が相撲をやったらめちゃくちゃ豊かになるかもしれない。
美術館では大体二周くらいするのが私の周り方なので、まず最初は全体をさらっと観て「ふーん」と思った。よく分からなかったからもう一周しようとしたところで、作品の説明をするやつやるよ〜とアナウンスが流れ、せっかくの機会なので参加してみることにした。基本一人で美術館に行くことしかないので、知らない人たちと一緒に自分じゃない人のペースに合わせて動くのは初めてで緊張した。ワクワクもした。
私と一緒に周ったお客さんは、青年とおじいさんで、青年は別の美術館で働いているらしく、おじいさんはしょっちゅうこの説明のやつ(正式名称が全く分からない)に参加しているらしかった。私は展示のタイトルすら知らない言葉だなと思っていたので、突然知識人の中に無知が突撃した感じになってしまってちょっとヒヤッとした。
説明員さん曰く、この美術館では一方的に説明するだけではなく皆さんの言葉も交えながら作品を楽しみます、というのがルール?モットー?らしく、青年とおじいさんは美術用語や知識を交えながら、疑問や思いをばんばん口にしていた。
自分はそういう場で意見を言うのが嫌いではないので、知識はありませんし難しいことも分かりませんが、と前置きをして好き勝手喋った。青年もおじいさんも私の意見はあまり聞いていなさそうだったけれど、説明員さんが優しく頷いてくれていたので堂々と話せた。
初めてちゃんと他人の美術の見方を知って、自分との違いに驚いた。私は作品の深掘りをあまりしていなくて、作品を通した自分の深掘りしかしていない気がする。それは別に悪いことではないので今後もこの感じで美術や芸術を楽しむんだろうなあと思った。
少し話は逸れるが、私は音楽も全然詳しくなくて、聴きはするけどアーティストや音楽ジャンルや用語に関してはほとんど興味がなく、印象や楽しさだけで選んでいる。多分、本当に他人に興味が薄いんだと思う。好きな人に対しても、相手に興味があるというよりは好きだから私を見せますよーのスタンスが多いし、人の考え方は好きだけどその人の情報みたいなものが得意じゃないのかもしれない。
美術品を見る時もあんまり説明文を読まなかったな、と今気付いた。自分の得た感覚が重要なだけなので、実際どういう意図や思いや背景があったのかを流し見してしまう。場合によっては絶対見た方がいいよ、という時もあるけれど、だいたい見落とすし見ても忘れる。
今日の展示は結局なんだったのかよく分からないまま終わったけど(みんなの言ってることもよく分からなかった)、つらくなったり楽しくなったり変だなーって思ったりできたのでとても良い一日だった。次は第一希望の美術館に行って粘土を二時間こねる予定です。